老化予防対策ガイド

老化予防対策ガイド♪では耳の老化現象の特徴・原因、自分でできる耳の老化防止対策について入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆耳の老化現象の特徴・原因の解説(もくじ)

◆耳の老化現象の特徴

★高周波数の音域が聞き取りにくい

耳の老化現象は比較的多くの人が発症しやすい老化のひとつです。

耳は加齢に伴って老化を招く器官の代表でもあり、平均的には50代以降で徐々に発症、やや進行が早い方の場合は40代の前半から耳の老化が始まると言われております。

※耳の老化は平均的に50歳代に徐々に症状を発症し始める傾向にある

耳の老化現象の最大の特徴は、音を聞き取る際の高い音を聞き取る能力に著しく低下が見られるようになるという傾向が見られます。

音域としては、高周波数域の7500ヘルツ以上にあたる高い音域の音を聞きとる能力に低下が見られるようになります。

◆高音域の音が聞こえづらい特徴をもつ老人性難聴

老人に多い難聴はこのように老化にともなって発症する高周波数の音域の信号が受信しにくくなる病気のひとつで、高い音が聞き取りにくくなる症状を示す難聴を高音性難聴や「老人性難聴」と呼びます。

老人性難聴という言葉から想定される年代は60代以降に思われがちですが、前述したとおり40代の前半、更に環境によっては30代後半あたりから症状を発症するケースがあるのもひとつの特徴です。

◆耳の老化をもたらす原因とは?

★騒音にさらされる生活環境が原因

耳の老化は耳の老化現象の特徴の項でも解説した通り、高音の音が聞きづらくなるという独特の特徴があります。

では、この耳の老化現象を招く原因にはどのような要因があるのでしょうか?

まず耳の老化をもたらす最大の原因として考えられる要因のひとつに、騒音などの環境的な問題があげられます。

耳の老化現象の発症年代を性別で比較すると男性の方が女性よりも早く老化が進行するという傾向を示すデータがあります。

この原因は、現在は男女ともに社会に出て仕事をする時代ではありますが、やはり男性の方が社会の騒音に囲まれた空間で過ごす時間が長い傾向にあることが原因であると考えられます。

男性と女性の耳の老化現象の特徴(画像)

耳は大きな騒音にさらされ続けていると、耳の内耳器官にある音を脳に届ける役割を持つ有毛細胞と呼ばれる細胞が少しずつ壊れていってしまうのです。

※耳の老化をもたらす最大の原因として考えられている要素が騒音による老化現象の進行。大きな音に常時さらされているような環境にいる場合は耳の老化が加速する可能性も高いと言える。

◆耳の老化は有毛細胞の破壊がひとつの原因

騒音によって耳の老化が進む原因はこの有毛細胞の破壊がひとつの原因として考えられております。

ですからもしお住まいの地域が高速道路や線路の近くなどで常に大きな音に耳がさらされてしまう環境にお住まいの場合は、職場にいる旦那よりも専業主婦で家事を毎日行なっている主婦の方が耳の老化の進行を招く可能性があるとも言えるでしょう。

尚、住宅地における騒音に関しては騒音基準が設けられており、一般の住宅地の場合は昼間で55dB以下、夜間では45dB以下の環境を維持することが義務付けられております。

また、自宅の敷地が2車線道路に面している場合は騒音基準がやや異なり昼間で60dB以下、夜間では55dB以下の環境を維持するよう基準が設定されております。

【住宅地の騒音基準値表】
地域昼間・日中夜間・深夜
①2車線道路に面する住宅地60dB以下55dB以下
②(①)以外の住宅地55dB以下45dB以下

夜間の騒音基準が低く設定されている原因は深夜にうるさい音を出さないようにするという意味ではなく、気温が下がると音速が早くなる事が立証されている事に基づいての基準です。

有毛細胞の破壊を予防するためには、このような日常生活の環境面に関しても一度意識して考えてみる必要があるかもしれません。

耳はやはり歳を重ねてもしっかり聞こえるに越した事はありません。

もし騒音レベルの高い地域にお住まいの場合は、耳が聞こえにくくなり始める前に、防音壁や防音シートなどを利用する等、できる限りの防音対策を早期に行っておくメリットはあるでしょう。

◆聴覚中枢のニューロン細胞数の減少が原因

耳の老化の原因として考えられるもうひとつの要因として、聴覚中枢のニューロン細胞数の減少が原因となっている可能性も検討されております。

ニューロンとは情報の伝達などを行う神経細胞のことで音として認識する神経細胞そのもののネットワーク数が低下していくことによって耳の老化現象を招いている可能性が検討されております。

しかし、ニューロン細胞数の減少が耳の老化に影響を与えているかどうかはまだ明確に解明されておりません。

ニューロン細胞数に関しては聴覚に限らず様々な器官の老化に関与している可能性が検討されており、今後のアンチエイジング医療のひとつの課題ともなっております。

◆難聴のチェック方法と主な検査の種類

【自分の状態をまず把握すること】

加齢に伴って耳の聞こえが悪くなってきたと感じ始めた時は老人性難聴の可能性があるかどうかについて一度、病院でチェックしておくことが大切です。

加齢によって耳が聞こえづらくなる現象はここまで解説してきた通り誰にでも起こり得ることであり、近年では30代の半ばなど若い年代であっても老人性難聴の症状を発症するケースが見られます。

老人性と聞くと落ち込みがちですが、純粋に年齢による機能の低下であることを把握し早い段階で治療に望むことが大切なのです。

失われた聴力が完全に回復するケースは稀ですが、若くして難聴が進行しているようなケースでは必ずその背景に環境や病気などの見えない原因が関与しているケースが大半です。

早期治療を行う事のメリットは、これらの原因を特定することで症状の進行を完全に止めることはできないとしても進行スピードを抑制できる可能性があるためです。

◆純音聴力検査

耳が聞こえづらく感じる場合は、難聴や耳鳴り状態などをチェックする検査でもある「純音聴力検査」を受けることが有効です。

聴力検査という言葉は一度は耳にされたことがあるかと思いますが、一般的に言われるヘッドホンを付けて音が聞こえてきた時にボタンを押す聴力検査はこの純音聴力検査(気導聴力検査も同様)の事を指しております。

この検査の簡単な内容についてですが、検査は外部の音が遮断された防音室で行われ聴力検査で使用される機械(オージオメーターと呼びます)の前に座りヘッドホンを付けて測定を行います。

測定では、周波数の異なる音を出し、どのくらいの高さまで音を聞き取ることができるか?またどのくらいの小さな音まで聞き取ることができるか?について検査を実施していきます。

検査では音が聞こえた時に手元のスイッチボタンを押すだけなのでとても簡単です。

純音聴力検査の手順(画像)

検査の聴力検査の一般的な流れとしては1000ヘルツから徐々に周波数を高めていきながら8000ヘルツ程度の高温域周波数帯まで測定を行い、その後1000ヘルツから500ヘルツと低音域の周波数帯の音域の聴力検査を行なっていく流れが基本的な流れです。

※聴力検査測定の流れ
1000ヘルツ⇒2000ヘルツ⇒3000ヘルツ⇒4000ヘルツ…⇒8000ヘルツ⇒1000ヘルツ⇒500ヘルツ⇒250ヘルツと高温域の周波数から低音域の周波数測定を行なっていく流れが主流

大きな総合設備のある大学病院や、地域の耳鼻咽喉科などで検査を実施しているケースもあるので純音聴力検査を受ける場合は予約手続きをしておきましょう。

◆自分でできる?耳の老化防止対策の解説

【生活習慣・生活環境の見直しからはじめる】

耳の老化を防ぐ為に自分で実践できる対策法について確認しておきましょう。

まず最も簡単にできる耳の老化予防対策は大きな音が聞こえる環境に長時間耳をさらさないことが基本です。

日常生活の範囲で過度に神経質になる必要はありませんが、例えばテレビを1日中大音量でつけていたり、音の大きなパチンコ店などに長時間滞在すると有毛細胞が破壊され耳の老化の進行を早める原因となる可能性があります。

老人性難聴は基本的に失った聴力が回復する事はありませんので、一生という長いスパンで音をしっかりと聴き取れる生活を送るためにもカラオケや激しいライブなどに参加する際も長時間の滞在には少し気をつけた方が良いかもしれません。

また住宅地の騒音基準値表でも解説した通り、生活環境の騒音レベルが高い場合は防音壁や防音シートなどの利用を早期に検討した方が良いケースもあります。

耳の老化防止対策の基本(画像)

森やジャングルなどで今も昔ながらの伝統を重んじながら生活を続けているある民族では高齢者でもしっかりと耳が聞こえており、難聴症状が僅かしか見られなかったという話もあります。

やはり静かな環境であることは耳にとっても優しい環境であり、耳の老化防止に良い影響を与えていると言えるでしょう。

まず自分でできる予防対策は大きな音や騒音から耳を守る基本的な生活習慣や環境の見直しを含めた対策を行なっていくことがポイントです。

※耳の老化を防止するには?
★騒音に耳をさらさないことが耳の老化防止対策の基本

◆脳内血管の老化対策と耳の老化の関連性

また聴覚神経が正常に機能する為には聴覚神経の伝達情報を届けるニューロン細胞が大脳へしっかりと信号を届けられる状態を保持しておくことも重要です。

その為、脳内の血管が詰まる動脈硬化などの症状を引き起こさないように、食生活や生活習慣に関しても規則正しい生活を送るよう心がけることが重要となります。

血管の老化の項目でも解説しておりますが、血管もまた誰もが加齢にともなって老化が進行する症状のひとつではありますが、血管は人体の様々な器官に影響を与えるため、老化防止という観点で考えた場合は血管の老化防止対策は非常に重要な項目のひとつです。