老化予防対策ガイド

老化予防対策ガイド♪では骨の老化現象の特徴と原因、骨の老化を防ぐための老化防止対策方法について入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆骨の老化現象の特徴と原因の解説(もくじ)

◆骨の老化現象の特徴

★骨粗鬆症と変形性関節症

「骨が老化する?」

骨の老化と聞くと肌や髪の毛などの老化と比較するとイメージがわきにくい部分があるかもしれません。

顔や手の皮膚の老化は「目視」で確認できる部分でもある為イメージが沸きやすいものがありますが骨は基本的に体内に存在する人体組織でもあり普段から見える部分ではありません。

しかし、骨は皮膚組織などと同様に確実に老化していく組織でもあります。

この骨の老化の代表と言えばやはり骨粗鬆症(こつそしょうしょう)であると言えるでしょう。

◆高齢者の転倒による骨折は骨粗鬆症が原因

世界一の長寿国となった日本では、この「骨粗鬆症」を発症している人が確実に増加傾向にあることが確認されております。

骨粗鬆症の最大の特徴は、骨の内部の組織がスカスカのスポンジ状になってしまう事によって「骨折」をしやすくなってしまうという特徴です。

高齢者の骨折の最大の原因は転倒による骨折です。

幼児期の子供はみんな毎日のように転んでいますし、走りまわっている最中に転倒して膝を擦りむいてしまうのも日常茶飯事のこと。

しかしこれだけ毎日転んでいても骨折をするようなことは中々ありません。

高齢者のケースで骨折が多くなる原因は、骨粗鬆症が原因の背景にある為に、今までと同じような転倒をしてしまった場合でも、骨の内部組織の密度(骨密度)が低下してしまっている為、すぐに骨折に繋がってしまうのですね。

特に大腿骨頚部骨折や腰椎圧迫骨折は骨の老化現象の進行段階でよく見られる骨粗鬆症の合併症のひとつです。

※高齢者が骨折を発症する主な原因は転倒や腕でものを支えた瞬間などの骨に負荷が加わった瞬間の骨折が大半。しかしこの骨折の本質的な要因としては骨密度の低下現象が原因の背景にある。尚、骨粗鬆症と診断されたケースでは骨密度が成人ピーク時の70%未満まで低下している。

◆加齢とともに関節の老化も進む

骨の老化に伴って老化が進行する組織に「関節」「軟骨組織」があります。

骨の末端部分にある軟骨組織は加齢と共に磨り減り、やがて関節内で骨と骨がぶつかり合い刺激をうけることで骨の「関節球部分」や関節が炎症をおこし患部が盛り上がるなどの変形を見せることもあります。

この関節の変形を伴う代表的な疾患としては「変形性股関節症」「変形性膝関節症」などの変形性関節症疾患があります。

関節障害の痛みを軽減させることで一躍有名となった「ヒアルロン酸」「グルコサミン」といった成分。

誰でも加齢と共に発症する可能性を持つ骨の老化現象の予防対策商品として販売されたこれらの製品が広く注目を集めたのは、日本の高齢化社会が進行している証であるとも言えそうです。

◆骨の老化の原因とは?

★女性ホルモンの分泌量の低下

骨の老化を招く原因は複数の要因が関与しておりますが、最大の原因として考えられるものは「骨量」の低下があります。

骨量とは骨の内部の骨塩量のことで「骨密度検査」によって測定が可能な骨の健康状態を示す指標のひとつです。

そしてこの骨量の数値に大きく影響を与えている性ホルモンの分泌量の低下が骨の老化に大きな影響を与えていることがわかってきております。

特に女性は閉経を迎えると女性ホルモンの分泌量が著しく低下し、この時期に多くの体調の変化を及ぼすと言われております。

この閉経後の体調の変化を代表する病気に「更年期障害」がありますが、更年期障害の症状のひとつにもこの骨量の低下があげられていることからも女性ホルモンの分泌量の低下が骨量低下の原因となっていることが見えてきます。

※女性の場合の骨の老化の最大の原因は女性ホルモンの分泌量の低下が原因。特に閉経後の更年期を迎えると女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が極端に低下するため更年期を境に骨の老化の進行が加速する。

尚、エストロゲンの分泌量が低下すると骨の再生を行う「骨芽細胞」の働きが弱まり骨の内部に蓄積されているカルシウム成分が血中に漏れでてしまうケースもあり、女性ホルモンの減少によって骨密度の低下を招く事も確認されております。

◆男性よりも女性の骨量の減少が大きい理由

骨粗鬆症を発症する男女比に関しては現在のところ圧倒的に女性の方が多く発症することが統計的にも明らかになっております。

、また性別だけでなく女性の場合は発症年齢に関しても男性よりも低い年代で骨粗鬆症を発症しやすい傾向にあることも確認されております。

【男性と女性の骨粗鬆症の発症傾向・割合】
☆女性の方が発症率が圧倒的に高い
☆女性の方が若い年代で発症しやすい

これらの影響に関しても鍵を握っているのは「女性ホルモン」の分泌量が急激に低下する閉経が関与していると考えられております。

実はこの更年期障害に関しては男性においても更年期障害を発症することがわかってきております。

男性・女性のホルモン分泌量の比較【イラスト図】

更年期障害は女性特有の症状と思われがちですが男性もやはり加齢に伴い性ホルモンの分泌量の低下減少が見られるようになり、更年期障害を発症と合わせて骨粗鬆症を発病する場合もあります。

しかし、ホルモンの分泌量という観点から見ると男性は女性ほど大きな変化はないことからも、やはり骨の老化と骨量の減少に関しては男性よりも女性の方が進行しやすい傾向にあることは間違いないようです。

◆骨の老化を防止する2つの対策法

【ホルモン補充療法とは?】

骨の老化を防ぐためにはどのような予防対策を行なっていくと良いのでしょうか?

まず対策を検討する場合は骨の老化を招く最大の原因である性ホルモンの分泌量低下に対する予防対策を検討していくことが重要です。

最も直接的な方法としては性ホルモンの直接投与を行うホルモン補充療法を行う方法があります。

◆HRT女性ホルモン補充療法とは?

ホルモン補充療法はまだ日本では馴染みが薄い感のあるホルモン補充療法ではありますが、実際アメリカなどではアンチエイジングの基本的な治療法のひとつとしてホルモン補充療法は積極的に行われております。

ホルモン補充療法の効果は非常に有能であり、定期的に性ホルモンの補充を受ける方が多くなってきているのも現状です。

尚、骨粗鬆症などの骨の老化に関わるホルモン補充療法に関しては女性ホルモンの投与を行うHRT女性ホルモン補充療法が最も有名です。

この治療法は、更年期などで体内の女性ホルモン濃度が極端に低下しているケースで、一定の割合の濃度まで女性ホルモン濃度を戻してあげる事で症状の進行を抑制させる働きを持つ治療法です。

閉経後のエストロゲン濃度は20代~30代のピーク時と比較すると約20%程度にまで減少すると言われております。

この急激なホルモン濃度の変化を和らげる目的としてもHRTは有効です。

【HRTの予防効果が認められている疾患】
☆骨粗鬆症
☆直腸がん
☆直腸癌
☆更年期障害初期

女性ホルモンの投与を行うホルモン補充療法はまだ未知の部分も多く、今後は更に広い範囲で効果が期待される範囲が広がってくる可能性もあります。

しかし乳がんなど、エストロゲンの増加が逆に悪影響をもたらす疾患も複数ある事からホルモン補充療法は慎重に検討を行う必要があると言えます。

もしHRTを希望する場合は一度、婦人科に相談してみると良いでしょう。

尚、性ホルモン補充療法以外の方法としては、骨を形成する成分であるカルシウムやビタミン類などをしっかりと摂取する食事面からの予防対策も重要です。

◆カルシウムとビタミンDの摂取が骨の老化防止対策の基本

カルシウム成分は骨の最大の原料ですが、このカルシウムが骨に付着していくためにはビタミンDが必要になります。

その為、歳を重ねるごとにカルシウムの摂取だけでなくビタミンDも合わせて積極的に摂取していく食生活へ徐々にシフトチェンジしていくことが骨の老化対策の理想です。

骨の老化度合いを示す指標として「骨年齢」と呼ばれる数値がありますが、この骨年齢は「骨密度検査」によって数値が測定されます。

骨密度測定検査では年代別の平均値をもとに現在の自分がどの程度の骨年齢であるのかを確認します。

この骨密度の数値に関しても日頃から適度な運動を行いビタミン類やカルシウム、そしてたんぱく質を中心とした健康的な食生活を継続することで骨年齢の改善を計る事が可能です。